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沢田研二2022〜2023「まだまだ一生懸命」
2023年5月11日 @ 6:00 PM
8,800円
コロナ前にアリーナコンサートを「ドタキャン」して物議を醸したジュリーこと沢田研二が、コロナを超えて京都にやって来る。2018年のドタキャン騒動が「古希」ツアーだったので、そろそろ75歳である。沢田研二といえばザ・タイガースのメインボーカルとしてデビューした1967年から、ステージ、テレビ、映画と活躍してきた大スターだが、常に音楽ビジネスの常識や事務所の方針と、自らの音楽性や政治性との齟齬に苦しみ続けた人間でもある。
普通の神経の人間ならどこかで諦めてしまうのだろうが、沢田はテレビから離れ、事務所から独立し、スター稼業に背を向けて、最終的には自分のうたを手に入れたように思う。ときには往年のファンに向けて往年のヒット曲を歌ってくれるが、時々政治的なうたで物議を醸し、暴言をはいてマスコミを騒がせたりする。ファンも年季が入っているので、「それも含めてジュリー」と、むしろ喜んでくれさえするようだ。
沢田のような音楽家がいることは、多くの人にとって救いなのだ。こんなふうに書いていると、山田洋次監督の『キネマの神様』(2021)の79歳の主人公役の名演も思い起こされてくる。コロナで急死したジュリーのソウルメイト、志村けんが起用されるはずだった役である。