みなさんはSNS上で、風景や料理と共にぬいぐるみが写っている画像を見たことがあるだろうか。「ぬい撮り」と呼ばれるその行為は今や推し活の代表的ポジションとなっている。サンリオのキャラクターも例外ではない。シナモロールの場合は「#つれてってシナモン」というハッシュタグをつけて行われている。
元々「#つれてってシナモン」は、ファン参加型の写真投稿企画である。シナモロールのぬいぐるみやグッズを出先に持っていき、思い出の写真を撮影、SNSに投稿することで限定グッズ抽選の抽選に参加できるのだ。この企画はシナモロールの周年記念だったものが恒例化し、過去に5回開催されている。残念ながら2020年以降の開催は見送られているが、「#つれてってシナモン」のタグをInstagramで検索すると、2023年6月現在でも毎日のように投稿されている。今や企画以外でもSNSのハッシュタグとして常用されるようになったのだ。それほどファンの中で根強い人気を誇るものなのが見て取れる。
そもそもなぜぬいぐるみやグッズを持ち歩くのだろうか。その理由はただ一つ、自分の好きなものと同じ時間・空間を共有し、旅の思い出をプラスアルファで良いものとするためである。出先の風景や料理を撮影するだけでももちろん記憶には残るが、そこに好きなものが加わることで、その写真は自分の中で特別感を抱くものとなるのだ。これはシナモロールだけに限らない。近年世間を騒がせている、アーティストや俳優、アニメキャラ等の推し活と同じ要領ではないだろうか。
私自身もシナモロールやその他好きなコンテンツのぬいぐるみを持ち歩き、写真を撮ることが頻繁にある。その日に食べたパフェや、ライブ公演のチケット等の隣にぬいぐるみを置き、カメラを構えている瞬間はワクワクで胸がいっぱいになる。単なる外出の私はSNSにそれらの写真をアップしたことはないが、ハッシュタグを検索し他人の投稿を見ているだけでも幸福感を得られるのだ。下の写真は、実際私が東京旅行をした際にぬい撮りをした写真である。

いわば「#つれてってシナモン」はシナモロールのファンによる推し活である。このような写真をSNSに投稿していると、同じ趣味を持った友人に出会えるのも大きな利点である。「#つれてってシナモン」の例だと、このタグをチェックしているのは主にサンリオが好きな人たちのため、シナモンファンのみならず他のキャラクターのファンとも繋がることができるのだ。
ここで一つ、日常生活においてモチベーションをあげる方法を思い浮かべてほしい。人それぞれあることだろう。例えば、お気に入りの洋服を着て出かけると少しハッピーな気分で一日を過ごせやしないだろうか。それと発想の基盤は同じだ。違うのは服かキャラクターかという点のみである。「#つれてってシナモン」及び好きなものを持ち歩くということは、日常を彩るエッセンスなのだといえる。