盆踊り好きから見る鉄扇踊り

果たしてこれが一般受けするかは分かんない。もうちょっと言うと、一般受けするために工夫すること自体が正しいのかよく分かんない。別に踊りづらいものをそのままっていうのもありだし、どっちもありだとは思う

鉄扇踊りについて

◉今、音頭取りの方と一緒に歌っていますが、実際に参加してなにか驚いたこととかありますか?

ヒデドン:一番最初はやっぱり歌と音頭だけで伴奏がないというのがめちゃくちゃ衝撃的だった。

盆踊りってお囃子があるのが当たり前やし、それなりに知っていたけど、口説きだけってのはないな。他には探せばあるんだろうけど

◉滅多にないですよね。

ヒデドン:ないと思う。

◉盆踊りとしてテンポもスローじゃないですか。他の盆踊りでもあるんですか?

ヒデドン:珍しい。クラシックスタイル。あの振りとか踊りもすごく独特で珍しいと思う。そういう意味でも興味深いかな。

◉一乗寺フェスとかでもそういうスローなテンポで、よく言えば新鮮ですけど、他の言い方をすればかなり独特で。

ヒデドン:踊りづらいと思う。普通に踊りづらい。

◉それでも岸野さんのSNSとかをみて、一緒に踊りをやってみたいなって人が何人か入ってきたと思うんですけど、鉄扇踊りに可能性とか感じましたか?

ヒデドン:そこは僕もまだ答えはない。そんな果たしてこれが一般受けするかは分かんない。もうちょっと言うと、一般受けするために工夫すること自体が正しいのかよく分かんない。別に踊りづらいものをそのままっていうのもありだし、どっちもありだとは思うんだけど、それはもうあなたたちに任せます。

◉キャッチーにすることで観光客が入ったり、鉄扇踊りコミュニティがパンクしたり、商業的に利用されたりとかで仲間内が崩れてしまうんじゃないかなと思うんですけど、ヒデドンさん的に今のコミュニティの状態を保ちながらずっと残していくということの方が大事だと思いますか?

ヒデドン:それも大切だけれども、持続するって考えた時にやっぱり今のやり方だけで続くかと言ったらちょっと疑問なところもあるので。そういう意味で外部の血を入れてという選択をしてるけど、そこからどういう化学反応が起きていくかというのはこれからだと思う。

◉ヒデドンさんが鉄扇踊りに参加して、他の方に勧めたことってあるんですか?

ヒデドン:いや、自分からはやってるとは言うけど勧めはしない。理由は別に勧めてやるものじゃなから

◉それはヒデドンさんが持っている考えですか?

ヒデドン:そう。だって自分は別に保存会の代表でもないし、一番端にいて自分の仲間を呼ぶっていう立場でも全然ないし、別にいつもやっているとは言うけど誘うことはない。多分これからも。保存会の人とかに言われたら誘うけど多分それもないから。

◉自分からはあまりない感じですね。

ヒデドンさんの取り組み

◉鉄扇保存会以外に行っている取り組みをお伺いしたいです。

ヒデドン:去年からやっている「読む盆踊り」っていう、関西を中心にいろんなところへ行って、その時の自分の感じたことを共有するみたいなことをしてます。

◉ラジオもやられているじゃないですか

ヒデドン:(2025年の)11月のはじめからやっていて。テキストで書くと自分のなかでまとめちゃうというか、一回整理をして編集して書くのはなにか違うかな、もう十分やったかなって。しんどいというのもある。ラジオだったら感じたことをただ言うだけで考えなくていいというのはそっちの方が今はいいのかなという感じです。

◉「読む盆踊り」のことについてもお伺いしたいんですけど、今までどういうところに行かれましたか? ポピュラーなところなのか、ローカルな場所なのか?

ヒデドン:いろんなところに行くけど、大阪南部の泉州エリアには、泉州音頭っていうのがあって江州音頭の流れを汲んでいるだけど。やっぱ泉州エリアの限定のものだから、そういうのは鉄扇と同じでそのローカルが非常におもしろいな。興味深い。

◉そういうローカルな盆踊りってやっぱり鉄扇と同じで、課題としては保存と継続みたいなこともあったりとかするんですか?

ヒデドン:そうやね。大体ふたつに分かれるんだけど。実は尼崎とかにもむぎわら音頭っていう踊りがあって、それはもう他の地区の盆踊り曲、いわゆる炭坑節とか江州音頭とかで踊っているところ。そういうのがあって、他方で泉州とかはもう河内音頭と江州音頭と泉州音頭の三つだけで永遠とループする。そうやって続いていってこれからも多分そうやって続いていくと思う。京都だとそもそも盆踊りが盛んじゃないからどうやって他の踊りとミックスしていくかどうかというのが課題かな。継続していくとなったら、鉄扇オンリーはさすがに難しい。他の鉄扇そのものを変えるというか他のバーターでやるかというか、そういう工夫は必要かなと思う。単体だと正直厳しい「盆踊りでやります。鉄扇1曲でずっと踊り続けます」っていうのは難しいと思う。多分岸野さんだったりが入ってようやくそのやり方を模索している時な感じがしてます。