日常と鉄扇踊り

一乗寺フェスとか納涼祭とかはもう完全な非日常でハレの場ですけど。鉄扇の練習は日常の中にある、でも別の場所みたいな感じ。日常と非日常のちょうど合間くらいの感覚が結構楽しいです。

日常と鉄扇踊り

レオ・オルデンバーグ(2013)『サードプレイス』みすず書房

◉普段の生活と鉄扇踊りはどう結びついていますか?

最近の言葉で言うと「サードプレイス」みたいに言うじゃないですか。私の中ではそういうものとして機能している部分もあるのかなとは思います。普段、日常の中でいろんな年代の方と接することもなければ、仕事と家の家事があって、それでいっぱいいっぱいになってるところにちょっとした息抜きじゃないですけど。そういう意味では盆踊りって元々普段の生活がある中でハレの場があって、みんなすごく楽しんだって言いますけど、そういうのが現代でも全然生きてるなって。

やっぱり一乗寺フェスとか納涼祭とかはもう完全な非日常でハレの場ですけど。普段の鉄扇の練習は日常の中にある、でも一歩離れた別の場所みたいな感じ。日常と非日常のちょうど合間くらいの感覚が結構楽しいです。

◉普段生活してて、子育てとか忙しいじゃないですか。その合間を縫って来てるっていうのは個人的にすごいなって思います。

いや、私が「もう今日はやめとこうか」て言っても、子供がすごい行きたがって。私ももちろん行きたいんですけど、でも今日は行くよりも「とりあえず洗濯物畳まなあかん」とかがいっぱいあったりするんですけど。でも子供にとっても夜にちょっと出かけるっていうのが、歩いて5分くらいの場所でも特別感があるのかなと思います。もうね、毎回毎回本当に行きたがって。2人とも。私がやめとこうかって言っても、それなら一人でも行く! みたいな。

◉そうなんですね。確かにめっちゃわかります。やっぱり子供にとってもちょっと楽しい場であることは確かだなと思います。嬉しいことですね。

踊り手として

◉入った時には踊り手さんがいっぱいおられるじゃないですか。誰を見て練習したかとか、踊りを覚えたとかってありますか。

誰を見てたんでしょう……一人一人少しずつ踊りの作法が違いますよね。多分まんべんなく見てたような気がします。最初は、手はもうちょっとゆっくり回した方がいいよとか、実際にアドバイスをしてくれたり教えてくださったりするのを聞きながら覚えました。基本の型を覚えたら、この時はあの人はこんな風にしてるなとか、この人はこんな風にしてるなとか。一通り覚えるとなんとなく余裕が出てくるじゃないですか。だから、最近はいろんな方を見つつ、この時はこうした方がいいんかなとか、ああした方がいいんかなとか。

◉普段踊り手さん同士で交流とかってあるんですか?

私は特にないですけど……。でも鉄扇とは関係なく皆さんご近所付き合いはあるんじゃないですかね。友達同士でされてる場合もあるかもしれないんですけど。

ただ、歌い手さんの男性がいらっしゃって、踊り手さんの女性がいらっしゃって、でもご夫婦お二人でされてるとか親子で一緒にされてるっていう方はいらっしゃらないじゃないですか。そう思うと、無理やり連れてきて引き継いでいくっていうものじゃなくて、やっぱり皆さん個人個人が好きでやってるからこそ続いていくっていうのもあるのかなっていうのは思うというか。

◉続けるっていうよりかは、もう続いてきたって感じのイメージはすごいあります。確かに誰に聞いても楽しいからやってるっていう話は皆さんおっしゃってて。

そうそう。どうしても引き継いでいきたいから身近な人も連れてくるとか、そこまでの変な強制がないからこそ、好きな人がやってる、やっていて続いてるのかなっていうのは思いますね。